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総統日記

私総統は、日記に憧れました。 題して、総統日記。 
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気温は低く、雪も降っているが、なぜか寒くなかった。

全力で走ったせいもあるが、どこか満たされた気持ちにも暖かさを感じる。

この世情、あまりにも殺伐とし、無論情けなく、儚く人情は散る。そうゆう風潮が渦巻いている。その中で、今回のこの出来事だ。心が躍らないわけもなかった。

体力の無さに落胆こそしたが、補って余りあるほどの嬉しさがこみ上げる。走れこそしないが、切らした息でゆっくりと歩いた。




交番は、活気に満ちている。5人の警官が各々笑みを浮かべ会話をしている。私が到着した事など、気にも留めず、ただただ談笑していた。

少し大きい音を出しながら、戸を閉める。ようやく気付いたようで、1人の若い警官がこちらに歩み寄ってきた。

「財布落とした方?」

「はい。」

「じゃあ、こっち来てくれる?」

「はい。」

「中ね、見させて貰ったからね。一応自分でも中身確認してみて。」

「はい。」

自分自身への戒めのため、財布にしのばせていた中学校時代の恥ずかしい写真がひょっこり顔を出す。本当に"ひょっこり"といった感じの顔をした自分に、少々の苦笑。

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静かな粉雪が降り頻る夜道を、駆けていた。

はつらつとした走りの割りには、哀愁帯びた総統。


「財布の落し物はありませんか?」


何度、口にしただろうか。

どこで落としたかもわからぬ財布を、行く店々で探し回っていた。


およそ5,6時間前には、確かにあった。


どこかで落としたのだろうか。落としたとすれば、どこで落としたのだろうか。先の見えぬ葛藤を、繰り返す。


答えを何も出せぬまま、ついには思い余り家を飛び出した。




行くあてなどは無かった。ただ、外に飛び出れば何かが変わる。安易だが、そう考えた。

先日より積もった雪。幾重にも、まるで財布を覆い隠さんと、寄り集まっているようにも見えた。

数時間、歩き回った。こんなことをしてていいのかと言う忸怩たる念も確かにあった。それでも歩くしかなかった。

歩きつかれ、薬を取り扱う店に入った。

どこの道端で落としたかも知れぬが、どこかの店で落とした可能性もまた、少なからずあるのだ。

落とした日付は今日。それは、わかっていた。そうなると、探す店というのもまた、決まってくる。

「ツルハ・・・・、セリア・・・、マックスバリュ・・・」

迂闊だった。今日行った店は、10を数えていた。






セリア、マックスバリューなど数店を回り、ツルハに着いた。

入る。刹那、自分の中の武が騒いだ。

「いらっしゃいませー」

やる気、心すら篭っていない出迎えの言葉が響く。

「あの、財布の落し物はありませんか?」

物腰柔らかく、媚びるように言った。

「落し物はないっすねー」

鼻についた。許されるのなら、地に叩きつけてやりたい。

「あ、そうですかありがとうございます・・・」

また物腰柔らかく、丁寧に言った。感謝の言葉であって、感謝の意味は篭っていない。

「はぁ・・・」

槍で立ち合えば、このような無礼な輩を容易く突き殺せるだろう。しかし、それが勝ちに直結しない事を、総統はわかっていた。

聞こえないようなため息を一つ。店を後にした。



午後9時、総統は自宅に戻っていた。

「どうしたんだ?」

父が玄関の先に待ち構えていた。

「財布の消息が掴めない」

「落としたってことか?!」

「言い変えるのならば」

あえて、曖昧な返事をした。こうすることで、非難を出来うる限り避けようとした。だが、その醜い魂胆は隠せていなかっただろう。

「冷静に考えてみろ。」

父が放った言葉に、ハッとした。思い返すと、恥ずかしく思えた。

財布を失くした事に焦り、ただひたすらに地面を凝視しながら歩いた。

よく考えてみた。財布を落としたと気付いたのは、駅から向かったゲオの中だった。駅にいた時点ではあった。ゲオに行く間に7つの店に入った。どこで落としたかはわからぬが、位置関係を考察すると、自宅からゲオの間にある事はまず考えられなかった。


「探してくる」

言い残し、総統はまた、家を出た。

その目には、さっきまでの奢りや焦りは宿していない。確信にも似た表情だった。

家を出たところで、電話を取り出した。

「もしもし、北広島市交番です。」

かけた先は交番。出たのは若い婦警だった。

「財布の落し物はありませんか?」

「どんな財布ですか?」

「黒い長めの札入れです」

「おいくつですか?」

「18歳です」

「北海学園?」

「ええ、そうです。」

脈アリだった。通っている大学を、いくら国家権力と言えど、携帯電話の番号から割り出せるはずは無い。財布の中の学生証に違いなかった。

「今から取りにこれるかな?」

さながら、男を誘う乙女のように芳醇な響きに、思えた。

「はい!すぐに行きます!」

総統もまた、さながら乙女に惑わされた狡猾な狼のようだった。

逸る足を抑えきれずに、総統は、雪のやんだ夜道へと、全力で駆け出していた。

走る最中、考えた。交番の場所は、そう。クリニックの手前だ。距離にして、およそ2キロ。

全力で走り切れる距離では、当然無かった。徐々に減速し、その場に座り込む。同時に、犬のように、大きな息を繰り返した。

「俺、こんなに体力ねぇのか・・・」

独り言を放った。その声は寒空に小さくこだました。


最近テストでネタが無いので、過去に他サイトで書いた記事を転載。





将来の夢は、大きく。

まず、ジャム氏になるためには、彼の風貌、おじさんという呼称から察するに男性である必要があります。

そして、ジャム氏の職業ですが、公式サイトに掲載されている情報によれば「こまっているひとや、おなかをすかしたひとのために、パンをつくっている仕事」とのことです。

慈愛溢れる開業パン職人、あるいはなんらかのNPO団体として活動している可能性がありますね。

いずれにせよ、「パンを作る」という点では相違がありませんので、パン職人を目指すとしましょう。

その場合、ベーカリーに勤務するという最短の道も存在しますが、就職難の世の中です。スキルの無い人間をおいそれと雇うかどうかが疑問視されますね。

それでは、スキルを身に付けましょう。

まずは、製パン関係の専門学校に入学し技能を磨き、「パン製造技能士」という資格を取得すると良いでしょう。

さらに、ジャム氏のように個人経営のような形で開業する場合には「食品衛生責任者」という資格も必要となってきます。








空想科学読本によると、ジャム氏がこねあげているアンパンマンの顔、言うなればアンパンは総重量8キロを超え、よほど女性の筋力では計り知れないほどの力を要します。

おそらく一般の成人男性でも不可能でしょう。

パン製造の技巧を磨くとは別に、かなりの年月ジムに通う必要があります。



そして一番忘れてはならないのが、移動型厨房あアンパンマン号の存在です。

何を隠そう、あれを製造したのはジャム氏その人です。

アンパンマン号は対バイキンマン用の近未来的な戦車であり、あの丸みを帯びたフォルムで自由に空を駆け、水上でもその勢いは衰えません。さらに、スペースシャトルの部品を取り付けて宇宙でも活動できる仕様にしたりと、かなりのハイクオリティを誇る代物です。

もちろん、そのような乗り物は現代まで開発されておらず、例え開発しようとも、かなりの人員と、費用を要する事は明らかです。もちろん、工学技師としての並々ならぬ技能・知識もです。国を超えた壮大なプロジェクトになるかもしれませんね。

そして、ジャム氏は哲学者の一面も持ち合わせており、『ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです』という持論の元にアンパンマン・カレーパンマンを製造し、文字通り自らの身を削り、傷つき倒れながらも悪に立ち向かう姿勢。仏教で言う「捨身飼虎」の教えを想起させるような類稀なる気骨に満ち満ちた方です。


以上の事を踏まえ、ジャムおじさんになる努力をしましょう。

最近の僕のマイブーム。

それは1人でドトールコーヒーへ行く事。

それも早朝、開店と同時に入店する。

その時間帯は、はっきり行ってラッシュで、出勤前のスーツを着たサラリーマンが列を成していた。

その列の中央辺りで、格好良いと思って穿いている変な迷彩パンツに身を包んだ僕は、間違いなく浮いていた。


それでも、並んだ。

開店と同時に列がどっと流れ込む。

次から次へと響く注文が軽快なリズムをはなつ。


「アメリカンエス」

「ブレンドエム」

「ブレンドエム」

「アメリカンエム」


このアメリカンとブレンド、これらはカップにコーヒーを注ぐだけで終わりという、何ともシンプルな商品。

それゆえに、すぐに商品を渡す事ができる。だから注文する。

この混んでいる時間帯、店員と客との間ではそんな暗黙の領域が成り立っているように思う。

皆が皆、それが好きな人もいるだろうが、変わらず同じ注文。

人と違う事が悪い。そう言わんばかりだ。




僕は、そんなレールに乗っかった人生を送るのはイヤだ。

だから、「アイスカフェモカのエムとジャーマンドックください!」とか言ってやる。

本当はアイスカフェモカだって苦いし、お腹がすいてるわけじゃないんだけど。

その度に、「こちらで少々お待ちください」とか言われ、注文をとっている所の真横で待たされる。

待たされている間も、次から次へとが注文をし続ける。

何度も何度も、「なんでこいつこんな所にいるんだろ」みたいな目で見られては、「時間無いんだよねぇ・・まったく」みたいな顔をしている僕。

だったら、ブレンドかアメリカンを頼めって事なんだろうけど、それじゃあダメなんだ。

僕は、人の敷いたレールに乗っかってはいけない。

10人くらいに抜かされてようやくアイスカフェモカとジャーマンドックが僕の手元に舞い降りた。


それはもう甘美で、妖艶で、僕の心は打ち震える。




人の敷いたレールに乗っからない事は、なんとも素晴らしく、それでいて最高の充足感を味わえる。

人に流されない生き方。この荒れ狂う札幌というジャングルで、心のオアシスを見つけた。




そんな満たされた心で、皆が2階に行くから僕も2階へ行き、皆が窓際に座るから僕も窓際に座り、皆が店を出始めてから店を出た。



そして、皆が乗る地下鉄に乗って、皆と走るこのレールの音を聞きながら、皆がいる大学へと向かう。

面白い事が無い。


この言葉を使って、面白くない事実への都合の良い理由付けにしていた。

しかし、そうでは無かった。

面白くないのは出来事なんかじゃなく、それを言葉に変換する私の能力が浅いだけなんだ。



今気付いた。


いや、気付かされた。




気付いたからって改善すると思ったら大間違いだよ。

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プロフィール

HN:
総統
年齢:
36
性別:
男性
誕生日:
1988/02/09
職業:
大学生
趣味:
ネットサーフィン
自己紹介:
。゚( ゚^ω^゚)゚。ブヒャヒャヒャ

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