今日は、朝9時からの講義。
予定通り朝7時50分に起きた。
電車の発車時刻は8時4分、駅までの所要時間7分。
5分で準備を終わらせ、予定通り寝ぼけ眼で満員電車へ駆け込んだ。
電車が6分遅れたが、もちろん想定内。
地下鉄までの約500Mを、全力疾走で駆け抜けた。
地下鉄に乗り込み、学校へと向かう。
学校に着くと、全力疾走で教室まで向かう。
もちろん汗だく、もちろん想定内。
ちょうど運動不足を感じていたところだった。
1講義目に2分ほど遅刻して、到着。
ミッチーの授業がちょうど始まった。
授業も終盤に差し掛かり、残り10分というところ。
突然、便意を伴う腹痛が襲った。
ミッチーを呼んで、トイレへ行く了承をとろう。
「せんせ・・・あ、」
おっと、ここではミッチーと呼ばなければいけないんだった。
そして、タメ口じゃなきゃいけないはずだ。
なぜなら、ここはアメリカだからだ。
臆する事は無い。
ここアメリカでは、意思を伝えることこそが重要なのだ。
トイレに行きたい事を伝えなければならない。
アメリカでは、全てが意思表示。
コミュニケーション能力が最も大切なスキル。
そう、ミッチーに教わったはずだ。
気さくに「ミッチー!」なんて呼ぼうものなら、
「ハァイ!ワッツアップ?」
「ゴートゥートイレット!オゥケー?」
「ハハッ!ゴーアヘッド!」
などと気さくな会話に発展するだろう。
はたまた、
「パードゥン?」
「オォウ・・・(笑)」
などとひと笑い取るのかもしれない。
それこそがコミュニケーション。
それこそが語学勉強の王道。
コミュニケーションダイジ、勢い十分に、
僕「ミッチィー!」
わずか1Mの距離からの威勢の良い声。
クラス中に聞こえただろうか。
しかしミッチー、微動だにせず。
コミュニケーションダイジ。コミュニケーションダイジ。
そう心の中で連呼し、もう1度呼んでみる。
僕「ミッチィ・・・?」
晒し者だった。「シカトされちゃった」と笑い会える仲の友達もいない。
2度にわたるシカトを笑ってもらえる程、馴染んでもいない。
軽い沈黙が流れた。
打破しなければならない。
第一、腹痛が限界だ。
だが、これ以上ミッチーとは言えない。
どうする。
先生と言ったら怒るのだろうか。
ミッチーと呼べとあれだけ言っていたんだ。
「ミッチーと呼べと言ってるだろぉ?アーハン?」
的な事を、英語を駆使して言ってくるかもしれない。
そんな事言われたら、それこそ晒し者だ。
しかし、これ以上ミッチーと呼びシカトされたら・・・。
仕方なし・・・。
やむなし・・・。
僕「あの、ミッチー先生・・・」
担任「ん?どうした?(笑)」
なんだか素敵な笑顔と流暢な日本語で応えてくれました。
そして、トイレから帰ったら、図るようにして、
「アメリカでは、トイレに行く時に意思表示とかいらないから」
パードゥン?
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