我らが故郷鷹栖に舞い戻った。
2月5日、晴れ。
母親に連れられ、僕は自動車学校に入校した。
まず、ロビーで受付を済ませるのだが、そこがまた異質な空間だった。
”高校生の巣”
そんな表現がしっくりくるだろうか。いや、”高校”か。
まるで高校の3階のような高校3年生率。
2月~4月、時期としてはこの状況はなんら珍しいものではないし、予想もしていた。
けれど、不思議な事に、
「わぁ、なんだこれ。すげぇなぁ、子供達」
とか、やぶからぼうに言い出す俺。
一つしか歳は変わらないし、僕よりも明らかに凛とした表情で佇む高校生だっている。
もちろん、体格だって負けてるし、勝ってるのはひぶくれした下っ腹くらいなものだ。
隣の母親に「お前もガキだ」と言わんばかりの渋い表情を受けながら、すました表情をした。
自分の息子をガキ扱いかいマザー。
なんて事は無い。その通りだ。
親同伴で、親に入校手続きのほとんどをさせて、周りをキョロキョロしているだけで「すげぇなぁ、子供達」だなんて言っている。
終いには、自分が年上だよと思わせたかったのか「大学」という単語をやたら言ってた。
身体はオヤジ、心はこどもの自動車学校初日。
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