今日は休み。
暇という字を三つ書いて飲んでみた。
何をしても暇なものは暇だった。
ふらふらと駅まで行き、電車に乗った。
札幌まで行き、ホームから出ずに帰りの電車に乗る。
「なにしてんだ俺・・・」
自分に疲れ、車内で眠りこくろうした瞬間だった。
「安田ーーーー!!」
突然聞こえてきた安田コール。
声の主は、左前に座る20代前半ほどの女性だった。
目を見張るようなミニスカに身を包んだ彼女。
「元気だけがとりえです!」
そんな言葉が妙に似合いそうな出で立ち。
おそらく小学生の頃の、
「話す時はハキハキと」
その教えで学が止まっているのだろう。
電車内で大声でハキハキと携帯電話を駆使して、通話をしていた。
「それを兼ね備えてるのが安田さんさぁ」
「安田さんしかいないなぁ」
「安田さんは神だ」
「ゴッドオブ安田!オブゴッド安田!」
それなりに人がいる車内に安田べた褒め論が響き渡る。
オブゴッド安田とは一体なんなのだろう。
神格化するにも程があるようにも思う。
安田さんが素晴らしい人物という事はわかった。
だが、車内では静かにして欲しいものだ。
ハキハキと喋れるところは評価するけれども、電話なんて言語道断。
人様に迷惑をかける行為をするなんて至極遺憾。
同じ人間として、恥ずべきことだ。
なぜ、誰も注意しないのだろうか。
僕には勇気が無かった。
こうして、パソコンを開き、この状況を日記にすることしかできない。
この二人がけのイスの通路側を利用して、パソコンを設置。
「迷惑とは何か」論議を独りかましていた。
迷惑を許さない姿勢を示すべきだ。そんな理論に達した時だった。
「ちょ座りたいんすけど、いいすかねぇ??」
突然の事で、動転する。
不機嫌そうなお兄さんが、僕を見下ろしながら言っていた。
ふと、周りを見渡すと立っている乗客が何人もいる。
座席占領禁止のアナウンスが流れた。
「荷物は座席に置かないでください」
僕は人様に迷惑をかける行為を許さない。
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