昨今、アジアの某国が世界の先進各国より批判を受けている。
抹殺されたら困るので、ここでは多くは語らないが、この国の無秩序さが
原因であると考える。
無秩序、それは許され難い事だ。僕の周りにも、小さな無秩序がてんこ
盛りだ。
中3の春、僕ら3人(僕、Y、I)は漬物屋で2週間ほどの契約でバイト
に励んでいた。その漬物屋にはおばさんしかおらず、「何をすれば良いか
はパートのおばさんに聞いてくれ」と正社員であろうおばさんに言われて
いた。おばさんに精通していない僕は、その風貌から「おばさんは皆優し
いだろう」と勝手に思い込んでいたが、実際はそうでも無い。
「すみません。僕は何をすればいいでしょうか?」
そう聞くと、おばさんが一瞬舌打ちのような行為(なんか汚く)をして
「わからないんかい!?○○さん!なにさせる?知らんよわたしゃ」
「そこらへんのタル運ばせとけや!」
もう女性の言葉遣いではなかった。「聞けって言ったのはお前らより位の
高いおばさんだぞ」と思いながらも、
「はい!わかりました」
と新卒の会社員みたいに素敵な返事をして、仕事に入った。その日はそん
な感じで様々な仕事の繰り返しで終わった。
次の日、大体内容も理解し、ある一つの仕事に集中することができるよ
うになった。その仕事とは、コンベアに乗って流れてくる漬物の盛り合わ
せのキムチと大根の間にカブを2枚乗せるという仕事だ。両隣でおばさん
がアホみたいにファンデーションのノリについて無駄話をしていたが、僕
は黙々とカブを乗せていた。3時間後、カブも700枚ほど乗せ終わった
だろうという頃、どこかでなんかの作業をしていたIが、
「トイレ行ってきてもいいですか?」
と直属の上司のようなおばさんに言っていた。食品を扱う工場でおしっこ
でも漏らされたら大変なので、おばさんはIをトイレに行かせることにし
た。そして、Iも子供では無いので一人でトイレに向かった。「トイレと
か本当かよ~」とか思いながらも、僕はカブを乗せるのに一生懸命でそれ
どころでは無かった。そして1時間後、カブもいよいよ1000枚を超え
るだろうという頃、Iがいない事に気づいた。そういえば、Iがトイレに行
ってから一度も見ていない。まさかIの身に何かあったのかと上司のおば
さん以下数人が騒ぎ出していた。僕もIの命が心配になりはしたが、カブ
を乗せるのに精一杯でそれどころでは無かった。すると数分後、Iが私服
で工場内に入ってきた。(この工場では、なんか水質調査とかで使うよう
なものすごい長い長靴を履いて、顔にはマスクなどをしないと行けない)
「体調が悪いので早退します」
僕は思った。
「嘘だ」と。
その後、カブを2000枚ほど乗せ仕事が終わった僕ら(僕、Y)は、一
緒に家に帰ることにした。その帰路、道路の真ん中でIを見かけた。そこ
でIが何をしていたかは名誉にために言わないが、とんでもない事をして
いた。仕事をサボってとんでもない事をしていた。10年前の法律では裁
けなかっただろう。今の法律をなめるなよと思いながらも、Iの無秩序さ
に怒りすら覚えた。その後も、バイト先で雪かきをすれと言われた時、遊
びと勘違いしたIが水溜りと水溜りを繋げて水路を作っていた。水不足に
苦しむ村々でやるのならわかるが、今はそんな事をする時ではない。さす
がに怒った僕は、持っていたつるはしを思いっきりぶん投げた。そして、
偉い方のおばさんの車のわずか数センチ横の雪に突き刺さった。あと一歩
で、Iの遊びどころではない器物破損という重大な犯罪を犯すところだっ
た。それを察してか、Iも思い直してくれた。今では、Iは立派な社会人
だ。古き良き思い出だ。
日本も某国に、つるはしでも投げたら現状が変わるのでは無いだろうか。
どこか、優しい気がする。某国のトップが立派な社会人になってくれるこ
と願う。
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