本日午後6時、帰省すべく北広島にある我が家を飛び出した。
実家まで約3時間半、父親の運転する車に揺られ続ける。
もちろんデロンデロンに酔った。
父親はハンドルを握ると人格が変わるタイプの人間だ。
普通道路を120キロで走る暴挙にさえ出る。
その度に、警察に通報しそうになる右手を制する。
鬼のような表情で運転、いや暴虐を行う父。
そんな父に思い切って話しかけてみた。
好きな女子に告白する時以上の勇気を要した。
「あと何時間くらいかかるん?」
「・・・」
父は眉一つ動かさず、ただ前方一点をにらみ続ける。
無言の殺、父は何も言わずして僕を制したのだ。
実の父親に見放されて暇だったので、コンビニの数を数えだした。
セブン2 ローソン3 セコマ1
ここで飽きた、というか悟った。
コンビニは数えるものじゃない。
それでも暇だったので、突然歌いだす自分
「ぺろんりーん!ぺろんりーん!ぺろんりんてぃんてぃーん!」
気持ちよくわけのわからない歌を口ずさんでいたと思う。
そこに突然、静寂を保っていた父が、
「うるせぇ!!」
恐怖のあまり、
「てぃ・・ん・・・・はい、ごめんなさい」
その後は、ビクビクしながら家に着くのを必死に待っていた。
「ゲホッゲホ!」
咳をするのにも、ビクビクッ!
「すすー!」
鼻をすするにも、ビクビクッ!
そうこうしながらも、無事、家に着くことができた。
やはり一軒家は立派だなと感心しながら、恐怖による疲れで床についた。
車内では静かに、生きるための術だ。
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