今日は土曜日、多くの人がホリデーとか浮かれる日だ。
ホリデーホリデー、バカですか。
そんな中、僕は朝6時半に起きた。
というか起こされた。
「ぶー!」
なんだよ、あの破壊的な爆音は。
ふすまごしに聞こえてくるよ。
晴天の霹靂、まさかの爆音。
そりゃ、飛び起きるよ。
屁で起きた朝はなんだか爽やかだった。
朝ごはんも早々に7時44分、出発。
7時54分の電車に駆け込む。
どうして、駅までの道のりは必ず走るんだろう。
あとで、辞書で学習能力ってひいてみよう。
「このまま小樽まで行ってやろうか」
9時からの講義、今日は統計学だ。
統計学って言うのは数学的なアレだ。
数学的なアレだ、たぶん。
そんな講義、たぶん。
この講義の教授は、小動物並みに弱々しいおっさんだ。
9時ジャスト、教授入室。
早速赤チョークを落とし、破壊。
拾おうとして黄チョークを落とす。
その黄チョークを拾って赤チョークを拾うのを忘れる。
・・・こいつぁー天才だ。
なんと言うかこの先生、全く怒らない。
そりゃ、この前まで高校生だった子達だもん。
そうなると、結構騒ぎ出す。
笑い声が目立ち始めた。
この子達ったらまったく・・・みたいな心境でニコニコしてたら、
度を過ぎたおバカさん、けたたましい笑い声をあげた。
その刹那、教授が講義を止め、
「皆笑ったらダメだよ・・・・・・・フフッ」
注意・・・?注意だろうか、注意だね。
教授も笑ってるけど、少し怒っているのだろうか。
ビーバーみたいな顔になっていた。
まぁ、こんなビーバーの注意でも、そこは大学生。
徐々に静かにはなりだした。
教授、否、ビーバーもその静かになる様をジッと見ていた。
よし、もういいだろう!って空気になり、教授が人間に戻る。
そして、喋りだそうとしたその瞬間、
「えぇ、太陽系がですねぇ」教授とは違う太い声が、突如スピーカーから鳴り響いた。
小動物のような教授が、さらに身を縮め、
「っ!おかしいねぇ、言ってこなきゃね・・・ハハッ」
とか言いながら、教室を後にした。
まぁ、そうなると騒がしくなるもので、
消えたのか、聞こえないだけか、太い声は聞こえなくなった。
そう思ったと同時に、教授がにこにこ顔で帰ってきた。
「事務長さんに言ってきました・・フフッ」
「皆、笑ったらダメだよ・・フフッ」
静かになったそのあとは、着々と講義が進められた。
終盤、そろそろ終わるかなという空気が流れた時だった。
「炭酸ナトリウムとね、塩化カリウムがっ」このいじめられっ子風の教授へのイヤガラセなのだろうか。
「またか・・・ハハッ」
尚も教授は笑っていた。
しかし、僕は見逃さなかった。
ナトリウムと聞こえた瞬間の、教授の顔がビーバーに変わりゆく様を。
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