「フレッシュフレッシュフレッシュフレッシューセイコォマァトォー♪」
軽快な音楽が鳴り響く、夜のコンビニ。
そう、ここは歌詞中にも出てきたセイコーマートというコンビニエンスストアのレジ。
そして僕はそこのバイト店員。
「いらっしゃいませー。」「105円が一点です。」「こちらの商品でよろしかったですか?」「ありがとうございましたー」
お決まりの言葉を並べ、接客をする。言えば良い、そんな心ここにあらずって感じ。それでもレジはこなせるし、ミスなどはほとんど無い。唯一ミスと言えば、休憩の時にパイプイスに勢い良く座ったらクッションのところからストンッと落ちて、でん部を激しく地面に叩き付けたくらいだ。もうパイプイスの強度不足で、店側のミスみたいなもんだ。それに、心ここにあらずなレジ作業になったのにも理由がある。
今でこそ無くなったが、最初コンビニのバイトをする前に小さな懸念があった。
「ヤンキーに絡まれたらどうしよう」
そんな子どもみたいな懸念だ。だって、怖いんだもん。
街で絡まれるのなら、この鍛えられた肉体を駆使し全力で逃げられるんですが、コンビニならそうはいかない。もう、レジ台の裏についてる呼び出しボタンを連打するしかない。しかも、今のヤンキーってチャラチャラした感じじゃなくて、ゴリラみたいなのばっかりで怖いですし。「合計320円になりますウホ」なんて言おうものなら、もう終わりだ。「すいません!冗談ですゥ・・・ホ」とか言いながらリンチにあって、バイトクビです。そんなのイヤです。
だから、あまり言葉に力を入れないし、心も込めない。当たり障りの無い接客をしようと心がけるようにした。そうすると、ヤンキーに絡まれないし、なんか綺麗な女の人にすごい怪訝な目されるし、一石二鳥じゃないですか。
一石二鳥じゃないですか
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