9時23分、起床。
電車の発車時刻、9時39分。
駅までの所要時間10分。
28分までには出発したい。
2分で身支度を終える。
カバンを背負い、何か忘れ物が無いか考える。
・・・ノートパソコン。
今日の講義にはノートパソコンを使う。
無い!無い!無い!
布団をひっくり返す。
タンスもひっくり返す。
もうしっちゃかめっちゃかだ。
あれが無ければ行けない!
部屋を滅茶苦茶にして、ようやく見つけた。
9時30分。
走れば間に合う。
死ぬ思いをして、全力疾走の末なんとか間に合った。
息を切らせ、電車に揺られる。
途中、手に持つノートパソコンを何度投げ捨てようとしたことだろうか。
取っ手のあるタイプのPCケースを買えば良かったと悔やんだ。
それでも、行った。
それでも、学校へと歩を進めた。
ようやく、ようやく学校に着き、教室へと向かう。
4階までの階段を2段飛ばしで上り詰める。
教室に入り、席に着く。
同時に颯爽とノートパソコンを出し、カパッと開ける。
このカパッと開けてる自分が好きだ。
手際よく、LAN接続の設定をする。
報われた。
苦労が報われたのだ。
ノートパソコン万歳。
心の中でつぶやいた。
教卓のミッチーがこっちを見ている。
ノートパソコンを持ってきた僕に対する賞賛の目だ。
誇らしげに胸に張った瞬間だった。
「オーライ、今日はノートPC使わないからしまっていいよ。OK?」
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